【番組紹介】2/24の世界遺産「プランバナンの寺院群」について
こんにちは。
そろそろ花粉がやばくなってきました。生き地獄の様な季節の到来です。
本日のTBS系「世界遺産」の舞台は、インドネシア共和国を代表する世界遺産『プランバナンの寺院群』です。
プランバナンの寺院群
インドネシア共和国/登録基準(ⅰ)(ⅳ)
インドから伝播した宗教文化と、インドネシア・ジャワ島に存在していた文化とが融合した事により、インドネシア固有の建築様式が誕生しました。
それをジャワ建築と呼んでいますが、それの最高傑作がプランバナンの寺院群です。
プランバナンの大きな特徴として、ヒンドゥー教と仏教の寺院が混在しているという事です。
これは、ヒンドゥー教国の『古マタラム朝』と、仏教国の『シャイレンドラ王朝』が同時期にジャワ島内にて共存・発展したことを由来としています。
また、シャイレンドラ王朝が築いた世界最大の仏教寺院として有名なものに、『ボロブドゥール遺跡』がありますが、こちらもインドネシアを代表する世界遺産の一つです。
プランバナン寺院群には、高さ50mもの尖塔を擁するシヴァ堂がありますが、そこの回廊に、古代インドの叙事詩『ラーマーヤナ』の物語をあしらったレリーフが残されています。
このレリーフはプランバナンを代表する芸術作品です。もしも観光で訪れる時は、忘れずに見学をしておきましょう。
スカイラインという映画のロケ地?
突然ですが、2018年に公開された『スカイライン 奪還』という映画はご存知でしょうか。
スカイラインシリーズの2作目なのですが、地球を侵略しに来たエイリアンと戦うという、いわゆる「宇宙人襲来もの」です。
この作品の魅力として、「こんな宇宙人には絶対に勝てない!」と思わせておいて、シラッドという東南アジアの武術で、最後は地球人が無双するという痛快さにあります。
で、なぜ急にこんな話をしたかというと、スカイラインの最終決戦の舞台が、実はプランバナンの可能性が高いからです(笑)
ロケ地情報が見つからなかったので、実際のところは不明なのですが、おそらくプランバナンで間違いないと思っております。
少し前にレンタルも開始されましたので、興味のある方は、是非ご覧になってください。
今回は以上です。
さようなら。
【番組紹介】2/17の世界遺産「ヒトが作った絶景 紅河ハニ族の棚田の文化的景観」について
こんにちは。
本日のTBS世界遺産は、『紅河ハニ族の棚田の文化的景観』のようです。
ただ、番組タイトルに『ヒトが作った絶景』とある事からも、おそらくは上記の世界遺産だけを取り上げるというよりも、前にご紹介した『文化的景観』という概念そのものがメインテーマになるのではないかと思います。
そのため、文化的景観を理解すれば、より番組が面白くなるのではと思っております。
文化的景観
文化的景観を簡単に説明すると、「〇〇の聖地」とか、「今も生き残っている伝統的農耕地」とか、『その自然があるからこそ、その文化が生まれた』という文化遺産に用いられる概念です。
つまり、格好つけた言い方をすると、『人間と自然との共存によって生み出された共同芸術』が文化的景観というものです。
詳細は、以前のブログをご参照ください。
ここからは、今回番組で取り上げる「紅河ハニ族の棚田の文化的景観」を始めとした、文化的景観に該当する2箇所の世界遺産をご紹介したいと思います。
紅河ハニ族の棚田の文化的景観
中華人民共和国/登録基準:(ⅲ)(ⅴ)
総面積160㎢に及び、3,000段を超える世界最大規模の棚田です。
日本最大級の棚田といったら、おそらく石川県の白米千枚田だと思いますが、白米千枚田の棚田枚数が1,000枚という事からも、想像を絶するスケールの棚田という事が窺えます。
この棚田は、少数民族ハニ族によって作り上げられました。
山岳地帯という厳しい自然環境の中、巨大な棚田群を作り上げたことも驚きですが、森や水などといった自然環境をフルに活用した独自の灌漑システムを作り上げた事こそが驚愕に値します。
人と自然との共同芸術という意味では、まさに文化的景観の代表例と言えます。
世界遺産に登録された棚田は、他にもあります。
コルディリェーラ山脈の棚田群
フィリピン共和国/登録基準:(ⅲ)(ⅳ)(ⅴ)
フィリピンのルソン島に位置するコルディリェーラ山脈には、少数民族イフガオ族によってつくられた棚田があります。
この棚田の特徴として、2,000年もの間、農耕技術を口承によって受け繋いできたことです。そのため、2,000年前と基本的な作業はほとんど変わっていないとのことです。
急斜面が多く、機械を導入しにくいという事もあるだろうけど、たまに水牛とか使う程度で、手作業がメインとのことです。
なお、植え付けや収穫などの際に歌われる詠唱は、「イフガオ族の歌、ハドハド」として無形文化遺産にも登録されております。
コルディリェーラ山脈の棚田群ですが、若者の都市部への流出、あるいは他産業への転業などによって、働き手が激減してしまい、危機遺産に登録されておりました。
現在は危機遺産から脱出しているとはいえ、未来に文化を繋ぐことがいかに難しいのか、我々に教えてくれるような気もします。
最後に
少し前より、何かテーマを定めて、関連する複数の世界遺産を紹介するという番組構成が増えてきた様に感じています。
横の繋がりを重視する事は、今日の世界遺産の主流ともいえる考え方でもあるし、個人的にも大変ありがたいなと思っております。
今後も色々なテーマについてやってほしいですね。
以上です。
さようなら
【雑記】ベトナムの世界遺産など諸々
こんにちは。
毎日が寒いですね。
でも、暖かくなると、今度は花粉との戦いが待っているんだよなぁ…
『冬来りなば春遠からじ』とか言いますが、冬も春も嫌いな人間にとって、何一つ救いがない季節です。
ところで、旅行会社ベルトラの満足度ランキングで、ベトナムのハ・ロン湾が1位になったみたいですね。
ハ・ロン湾
自然遺産/登録基準:(ⅶ)(ⅷ)
3000もの奇岩などの島々が点在する景勝地です。一度は訪れたい世界遺産の上位になるのも分かる気がします。
ハ・ロン湾といえば、映画キングコングのロケ地にも使われましたよね。
私は、キングコングも含めた怪獣映画シリーズ、いわゆるモンスターバースのファンなのですが、今年はいよいよゴジラが動き始めますね。今から公開が楽しみです。
そういえば、最近リリースされた『ドローンシアター』というアプリが面白いです。
アプリには、ドローンで空撮した秘蔵映像を無料で楽しむコンテンツがあるのですが、今回のハ・ロン湾も含めた世界遺産も何種類かあり、どれもが大変見応えありました。
今後も新映像を随時追加していくみたいなので、興味ある方は試しにDLしてみてはいかがでしょうか。
以上です。
さようなら
【番組紹介】2/10放送の「世界遺産」の舞台である『ボイン渓谷の考古遺跡群』について
こんにちは。
今回のTBS系の「世界遺産」の舞台は、アイルランドの世界遺産の一つ、『ボイン渓谷の考古遺跡群』です。
ミステリアスで、大変魅力的な世界遺産の一つです。番組を楽しむためにも、簡単ではありますが、ご紹介したいと思います。
なお、番組の公式Twitterアカウントでは、『ボイン川沿いの遺跡群』と書いてあったので、番組上ではその呼び名が使われるかもしれませんが、ここでは『ボイン渓谷の考古遺跡群』に統一して表記したいと思います。
ボイン渓谷の考古遺跡群
アイルランド/登録基準:(ⅰ)(ⅲ)(ⅳ)
アイルランド最大の先史遺跡で、紀元前3000年頃に作られたと考えられています。
ニューグレンジ、ノウス、ダウスの3基の大型石室墓が発見されていますが、1962年にニューグレンジが発見されるまで、何千年もの間、見つかる事もなく眠っておりました。
この考古遺跡を作った文明は、後にケルト文化に大きな影響を与えたといわれておりますが、詳細はわかっておりません。
高度な天文知識
メキシコの『チチェン・イツァ遺跡』や、エジプトの『3大ピラミッド』など、高度な天文学知識を駆使して作られたと思われる遺跡は地球上に多数あるのですが、このボイン渓谷の考古遺跡群もそれに該当します。
冬至の日になると、入り口上部に開けられた穴から日の光が内部に差し込み、石室の最奥部を照らすという現象が起きます。
これは、正確な天文学知識がないと絶対に不可能な構造です。
エジプトでピラミッドが作られるよりもはるか以前に、このような墳墓が作られた事は驚愕の一言です。もはやオーパーツと呼べるかもしれませんね。
トゥアハ・デ・ダナーン
また、ボイン渓谷の考古遺跡群は、神話的な魅力もあります。
ニューグレンジは、ケルト神話で語られる神である『トゥアハ・デ・ダナーン』の一人、『ダグザ』の住まいと考えられております。
ダグザは、『善き神』を意味していることからも、ありがたい神様だったようです。神話における4大秘宝の一つである大鍋を所有しており、この鍋から無限に食べ物を生み出しては、人々におもてなしをしていたみたいです。
それに数多くの子供を残したことからも、ダグザという神様は子孫繁栄の象徴にもなったようです。
のちにダグザは、ニューグレンジの宮殿にて、尽きる事のない食料を食べながら暮らしていたようですが、どことなく人間くさい魅力を感じます。
最後に
どのような民族がこれを作ったのか、今後の調査結果を待つ必要があります。ただ、解明されていない事こそが、この世界遺産の一番の魅力なのかもしれません。
いつか、ケルト音楽で一番のお気に入りのLunasaを聴きながら、この地を訪れたいなと思っております。
以上です。
さようなら
【ニュース】沖縄・西表島の住民「世界遺産に登録しないで!」
こんにちは。
今朝のモーニングショーというニュース番組で、来年の世界遺産登録を目指す、『奄美・沖縄』関連のニュースが放送されたようです。
「世界遺産に登録されたらごみ問題が深刻化するので、地元住民が悲鳴を上げている」という内容だったようです。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「登録は、観光業者やそれに乗る政治家、役所が進め、観光のためにやっているんですね。住民の考えはまっとうで、住民が迷惑するのでは、何のための世界遺産か。やめたほうがいいですよ」
この玉川なにがしという方ですが、ジャンル不問で『自信たっぷりに無知を晒す』系の人間という印象があるので、発言の大半を信用していません。
今回のこの発言にも言いたいことはあるのだが、それでも『住民が迷惑するならば、やめた方が良い』は正論かなと思います。
人類の財産を未来に残すのが世界遺産の元々の意義です。自然を損なうトリガーになり得るならば本末転倒です。
民放ニュース番組の一部分を抜粋しただけの記事に、いちいち一喜一憂するような素直な人間ではないのだが、とりあえずは『地元住民のサポート無しに世界遺産はありえない』という点では賛同するので、一応は取り上げておきました。
以上です。
さようなら
【ニュース】韓国の世界遺産『慶州の歴史地区』について
こんにちは。
少し前になりますが、世界遺産関連で気になるニュースがありました。
話題に上がっている『月浄橋』がある場所ですが、『慶州の歴史地区』という名前で世界文化遺産に登録されております。
慶州の歴史地区
大韓民国:登録基準(ⅱ)(ⅲ)
韓国東南部にある、統一新羅の首都金城があった街で、日本では京都にあたる場所です。
仏教関連の聖域である南山地区
王族の古墳群がある大陵苑地区
新羅の王宮があった月城地区
など、いくつかのエリアに分けられているのが特徴的で、その中でも、東洋最古の天文台と言われているチョムソンデは特に有名です。
どうやら、この橋を復元工事した結果、中国湖南省にある回龍橋とそっくり(パクリ)の、本来の橋とは別物になってしまったようです・・・
今回のような考証に基づかない復元工事などを行った場合、世界遺産にどう影響するのか、最悪、抹消もあり得るのでしょうか。
真正性について
以前にも触れたテーマなのですが、世界遺産を考える上で、特に重要になるのが、『真正性』という概念です。
真正性とは、建物や景観などが、文化的背景の独自性や伝統をきちんと継承していることが求められるというものです。
今回話題になっている月浄橋ですが、本来は石造りの橋だったようですが、復元工事によって木造となったようです。
素材すらも全く別物になってしまった以上、真正性の概念からは逸脱します。
中国の橋のパクリかどうかは抜きにしても、この一点だけでも、完全にアウトと言えます。
どうやら、この歴史地区に関するオリジナルの資料などが乏しかったらしく、考証不十分による復元工事をせざる得なかった背景もあるようですが、おそらくは、月浄橋だけの問題ではないのかなと思われます。
復元工事が進んでるようですが、最終的には古都の雰囲気が微塵も感じられないエリアになってしまうのかもしれませんね。
世界遺産リストからの除外はありえるのか
では、真正性が認められないと判断された場合、世界遺産の取り消しはあるのでしょうか。
以下は私の予想です。
現時点では、まだ取り消しという話が出る事にはならないとは思います。
ただ、毎年夏に開催の『世界遺産委員会』にて、おそらく本件に関しては議題に上がるのではと予想します。
そこでの話次第ですが、場合によっては、危機にさらされている世界遺産リスト、いわゆる『危機遺産』扱いされる可能性もある気がします。
危機遺産リストに登録された際は、改善に向けての保全計画の作成と実行が求められますが、上述のように、オリジナルの遺跡に関する資料や記録がほとんど残っていないという問題点があります。つまり、真正性を証明する術がない。
どうなるのでしょうかね。
今後の動向をチェックしたい件でもあります。
今回は以上です。
さようなら。
【コラム】世界遺産と映画① パリのセーヌ河岸
こんにちは。
私は映画鑑賞が大好きなのですが、映画の舞台が世界遺産だったりすると、ものすごく得した気持ちになります。
ストーリーを楽しめて、なおかつ世界遺産に訪れた感覚を味わえるなら、こんなに嬉しいことはありませんよね。
ってことで、今回は世界遺産が登場する、私のお気に入りの映画をご紹介したいと思います。
(シリーズ化するかどうかは不明だけど)第1回目の舞台はパリです。
パリのセーヌ河岸
フランス共和国/登録基準(ⅰ)(ⅱ)(ⅳ)
パリの歴史は、セーヌ川に浮かぶシテ島から始まります。この地を中心に歴史が育まれ、そして様々な文化・芸術が生まれました。
まぁ、この辺の事を説明するのは今回のテーマではないので、詳細はWikipediaでもご参照ください(雑ですみません)
パリを舞台にしたオススメ映画
名匠ウディ・アレン監督による、パリを舞台にしたファンタジーコメディーの傑作。
セーヌ河岸付近の有名スポットはほぼ網羅しており、パリ観光の教科書映画と言えます。当然、ノートルダム大聖堂やルーブル美術館などといった多くの世界遺産も登場します。
過去と現在が交差するパリを舞台に、懐古主義的な主人公が、真の意味で現実と向き合う選択をするまでを描いた作品ですが、映像も音楽もたいへん綺麗で、万人にオススメ出来る作品です。
②アメリ
サクレクール寺院で有名なモンマルトル地区を舞台にした映画の代表といったら、おそらくアメリではないでしょうか。
女性向け作品だけど、みんなが大好きな『フランスっぽさ』に溢れているため、男性も引き込まれる魅力があると思います。
『お洒落』な映画だけど、その一言では言い表せない、独特な世界観を持つ名作です。
③ミッション:インポッシブル/フォールアウト
ご存知、トム・クルーズさんが体を張って頑張るMIシリーズの最新作です。
世界遺産グラン・パレに向けて超上空から空中ダイブしたり、凱旋門のラウンドアバウトをバイクで逆走したりと、常軌を逸したアクションシーンのオンパレードなのだが、普通にパリ観光映画としても良質であったりします。
④アサシンクリード・ユニティ
これは映画ではなくてゲームですが、オマケとして紹介します。
アサシンクリードとは、アサシン教団とテンプル騎士団の影の戦いを描いた人気シリーズですが、本作の舞台はフランス革命期のパリです。
完全再現されたパリの街並みを自由に動く事が出来ます。
さらに、ノートルダム大聖堂やサン・シャペル、あるいはアンヴァリッドなど、多くの世界遺産によじ登ったり、上から飛び降りたりもできます。それだけでも世界遺産ファンにとっては夢の様な作品に思えるはずです。
興味のある方は、是非プレイしてください(ただし18禁です)
最後に
特に好きな数本に絞らせていただきましたが、他にもたくさんの魅力的な映画はあります。
フランス映画史における重要人物の一人、ジャン=リュック・ゴダール氏の『はなればなれに』における、ルーブル美術館内の全力疾走シーンは今も語り草となっています。
また、『ポンヌフの恋人』のようなゴダール以降のフランス映画の代表作品や、『ダ・ヴィンチ・コード』などの様なハリウッド映画も外せません。
映画によって世界遺産が身近に感じられるならば面白いと思い、今回はこのテーマについて取り上げました。
気が向いたら、今度は他エリアにおける「世界遺産と映画」をやりたいなと思います。
今回は以上です。
さようなら。